「怖い体験」を100円で買い取ってくれるお店があった 尼崎の怪談作家が営む「売買所」に注目集まる (4/5ページ)
その際は確か8組ほどの方々が来られました。それ以降、三話市場以外の場所も合わせて年に8回から10回出店しています。毎月出店するようになったのは、2019年3月から。出店するたびに、3組から多い時で20組以上の方が来られます。誰も来られなかったことはほとんどありません。来られた方の正確な人数は分かりませんが、ざっと数えてみて延べ600組ほどの方々が来られたかと思います」(宇津呂さん)
冗談半分で始めた企画だったとのことだが、なかなか繁盛しているもよう。
ついには怪談売買所で集められた怪談ばかりを、取材の模様とともに収めた書籍も刊行され、宇津呂さん自身も「怪談を百円で買い取る男」なる二つ名で呼ばれるようにもなったという。
「怪談」で誰かの役に立つことが出来る「怪談売買所」への反響について、宇津呂さんは、
「実際に来られた方からは『面白かった』『これは発明ですね』などと好意的な感想を言っていただくことも多くあります。怪談が好きだという方だけでなく、意識して怪談を聴いたことがないといった方にも楽しんでいただくことが出来ているようです。そういった様を見るにつけ、怪談は老若男女問わず、誰もが楽しめる日本の文化であるということを実感します」
と述べた。
中には宇津呂さんに体験を語った後、「すっきりしました」と言って嬉しそうに帰る人もいるという。
「怪異な体験というのは、それ自体、自身の中で理解することが難しいものです。どう理解すればいいのか、どう処理すれば良いのかが解らず、いつまでも頭のどこかで燻り続けていることがあるのです。かといって、それは誰にでも話せるものではありません。まともに取り合って貰えなかったり、一笑に付されたり、酷い時には頭がおかしいんじゃないかなどと思われたりすることもあります。