「恐れてはいけない」成長できるリーダーは何を大事にしているのか? (2/4ページ)
また、おそらく日本の組織って、あまり自分の部下から評価を受けないですよね。
――確かに部下が上司を評価するってまだ珍しいかもしれません。
箱田:アメリカでは、部長の評価を上の人だけでなく、その部下も評価するんですよ。私も毎年上司の評価をしていましたし、楽団時代は指揮者として、楽団員から評価を受けていました。その評価が一番自分を成長させたと思います。時にはすごく辛辣(しんらつ)なコメントが来るときもあって……。でもそのコメントのおかげで成長できたなと。
上からの評価だけになると、どうしても狡賢(ずるがしこ)いやり方で取り入ったりして正確に評価されないということが起こります。だから、全員が下からも評価されるような環境をつくれば、みんなが平等になりますし、パワハラもなくなります。
――それはおっしゃる通りだと思います。360度評価は自分が認識できていない自分が見えてきたりしますよね。また、日本では部下がたくさんいるという人も珍しくありません。ただ、エンゲージメントを引き出すリーダーシップは一人ひとりと向き合うことが必要になると思いますが、人数が多い場合のマネジメントはどうすればいいでしょうか。
箱田:重要なことは、まず個々のメンバーが「上司が自分のことを気にかけてくれている」と思うことなんです。私も80人ほどの楽団員を率いていたときは、毎日一人5分も話せませんでした。そんな中でも名前を呼びかけて挨拶をすると、それだけでもかなり変わるんです。そうなると、「あ、箱田さんは自分のことを知ってくれているんだ」となります。
声掛けの重要性はどのリーダーシップの本にも、そして教育学の本にも書いてありますね。もちろん人数が多いと長い対応は難しいですけど、短い対応ならばできます。私が心掛けていたのは、毎日3人に声掛けのEメールを送るということでした。「この前のリハーサル、すごく良かったよ」というような簡単なコメントです。1日3人ならかかる時間は10分程度。でも、1日3人だと1週間に15人、2週間に30人、ひと月あれば80人全員に送れます。