最期まで大志を諦めない!天下の義将・石田三成がリクエストした「最後の晩餐」とは? (3/5ページ)
「実に美味い粥であった……さて、腹がくちくなったら眠うなった。わしはもう寝るゆえ、そなたも早く休むがよいぞ」
吉政に礼を言うと、三成はごろりと横になりました。
「(随分と落ち着いておるな、何か策でもあるのだろうか)……しからば御免」
「うむ」
吉政が立ち去ったあと、三成は腹の具合をうかがいます。実は三成、これを最期の食事にするつもりなど毛頭なく、疲労によって壊していた腹を回復させ、起死回生の一策を思案していたのです。
実際、ニラには血行促進や整腸作用に効果があり、あの独特な香り成分の硫化アリルがビタミンB1の吸収や糖分の分解を促進するため、体力を回復させる薬効が古くから知られていました。
それを柔らかく煮た粥と併せて食えば、効率的に胃腸を整え、かつ粥の炭水化物を脱出のエネルギーに変えることができるため、三成のリクエストはこれ以上ない選択の一つと言えるでしょう。
(どんな妙策も、身体がままならねば果たせぬからのぅ……)
かくして、じっくりと胃腸を休めて鋭気を養いながら、一晩中ゆっくりと脱出の機会を窺っていた三成ですが……残念ながらそんなチャンスがやってくることはありませんでした。
この辺りが、ドラマと現実の違うところですね。
最後の最期まで諦めない!さて、打つ手もないまま夜が明けて、いよいよ処刑場へと護送される三成。
「……喉が渇いた。おい、湯はないか」
水だとまた腹を冷やしてしまうのでそう言ったのでしょうが、屋外でそんな気の利いたものは手に入りません。