感染性因子「プリオン」を扱う研究所職員が2例目のヤコブ病発症。感染した疑いがあるとして研究を中止に(フランス) (2/3ページ)
狂牛病やクロイツフェルト・ヤコブ病などの伝達性海綿状脳症の原因となり、これらの病気はプリオン病と呼ばれている

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・フランスの研究所で2例目の感染の可能性が濃厚
今回、「クロイツフェルト・ヤコブ病(人間のもっとも一般的なプリオン病)」の発症が明らかになったのは、フランス国立農業・食糧・環境研究所(INRAE)の元職員だ。
この人物は以前、研究所でプリオンを扱っていた。発症原因がプリオンであると断定されたわけではないが、INRAE職員はヤコブ病に感染したのは今回で2例目となる。
最初の事例は、2010年5月、プリオンに感染したマウスで実験を行っていた最中、誤って注射針を指に刺してしまい、7年半後に感染が確認され、2019年6月に33歳の若さで亡くなったエミリー・ジャーメイン氏だ。
検死では、「牛海面状脳症(俗にいう狂牛病)」に起因するとされる「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」と診断された。
ヨーロッパでは2000年に狂牛病のアウトブレイクが収束しており、それ以降変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の症例は報告されていなかったので、実験中の事故で感染したのだろうと推測された。
当時、彼女はラテックス手袋を二重に装着していたのだが、その上から注射針が刺さってしまったようだ。この事故を受けてフランスの研究所では、耐切創手袋の使用、プラスチック製・使い捨てのハサミやメスの使用といった安全対策の見直しが行われた。