リーダーが必ず知るべき顧客との関係を強めるための新たな「メッセージモデル」 (2/5ページ)

新刊JP

神田:その2つの関係のみにフォーカスされていた理由は、組織に内在するメカニズムである「現状維持バイアス」という切り口が提示されていなかったからだと思います。だからメッセージを使い分けることができていなかった。その使い分けができるようになるのが、この本で提示されているメッセージモデルなんです。

ですので、極端な話をすると、結局この本を手に取った人が勝つのだと思います。実は今、AIによってセールスがいらなくなるというところまで来ています。そのくらい技術は進んでいる中で、私たち人間が力を発揮できる仕事って何になるのかと言うと、「提案」なんですね。データを使いつつ、さらに良い提案をするのは人間しかできない。

ただ、その「良い提案」は、相手顧客の状況に応じてその場でメッセージを組み替えられるような天才的な営業マンしかできないことでした。この本では、そうした提案のモデルを示しています。その点で、読んだ人が総取りになるのだと思うのですね。

権田:今の日本の組織、もっと言えば日本全体が現状維持バイアスで固められていますよね。これを壊そうとして、スタートアップやチャレンジャーたちが攻撃を仕掛けてイノベーションを起こそうとしていくわけですけど、イノベーションによる「破壊」だけではその先に何も残らないし、破壊によって生まれた様々な分断を乗り越えられません。イノベーションによる変化を一度落ち着かせるというプロセスが必要なのだなと受け止めました。一度落ち着かせてアップグレードして質を高めていってからまたアップデートしていくといったアップデートとアップグレードを組み合わせることで、分断を克服しながらイノベーションが世の中に広がっていくんだなと、神田さんのお話を聞いて思いました。

これは組織についても同じで、たとえばDXを推進して組織を変えようという流れがあったとしても、「DX推進」という変化が落ち着かないうちにさらに新しい変化を加えても、組織内で「DXについていける人」と「DXについていけない人」の分断のうえにまた新しい分断ができるだけなので、変化を生み出したら一旦落ち着かせてアップグレードするというフェーズがあるべきだと思います。

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