武士の誠を見届けよ!幕末「神戸事件」の責任を一人で背負い切腹した滝善三郎のエピソード【上】 (4/5ページ)
「この、無礼者!下がれ、下がれ!」
「Rejeter!(どけ)Passer vite!(早く通せ)」
お互いに言葉が通じず、また一歩も譲らなかった(※)ことから口論はエスカレート、あまりの無礼に憤った善三郎は、手にしていた槍で水兵を突いてしまいます。
(※)読者の中には「岡山藩側も譲ればよかったのに」と思われる方もいるでしょうが、古今東西、軍隊というものは国家の威信≒存続を賭けた存在であり、それに対する侮りを容認するということが、国家や国民を危険に晒すことになってしまうのです。
(※)そもそも、いくら言葉が通じないとは言っても他国の明らかに武装した軍隊が行進している前を横切ろうとするのは、その国に対する侮辱であり、現代であっても逮捕・拘束されても文句の言えない事案となりかねません。
(これを大袈裟だと思うなら、試しにどこか外国へ遊びに行って、軍隊の一分隊でも行進している前をわざと横切ってご覧なさい。日本の自衛隊とは全然違った対応を見ることになるでしょう)
「Je vais tuer ce salaud!(この野郎、殺してやる)」
フランス水兵らは接収していた民家へ逃げ込んで拳銃を取り出したため、善三郎が「鉄砲!鉄砲!」と警戒を促したところ、これを「発砲(撃て)!」と勘違いした者たちが、上空に向かって威嚇射撃(※)を実施。