もうカタギに戻れない…殺人を犯した明治時代の美人芸妓・花井お梅の末路【上編】 (3/4ページ)
近づきたくはないけれど、逆らうと怖いから離れもしない……そんな取り巻きたちに囲まれながら、ムメは花柳界の風雲児たるべく名を馳せたのでした。
歌舞伎役者の源之助にフラれ……さて、新橋花街にその人ありと知られ、憎まれっ子世に憚るを地で行ったようなムメでしたが、そんな彼女も恋をすることがあったようです。
そのお相手は歌舞伎役者の四代目 澤村源之助(さわむら げんのすけ)。ムメは第百三十三国立銀行(現:滋賀銀行)のとある頭取に囲われながら、貢がれたカネをせっせと源之助に貢ぎました。
しかし源之助にその気はなかったようで、
「これから芸道に邁進したいから、あなたと一緒になるつもりはない」
とまでは言ったかどうだか、交際を断られてしまいます。それで大人しく引き下がるようなムメではなく、さんざんモメた挙句に源之助の付き人である八杉峰三郎(やすぎ みねさぶろう。峯三郎、峯吉とも)までクビ(※)にされる大騒ぎに。
(※)峰三郎はムメに誑し込まれて源之助との仲立ちを買って出るなどしたのかも知れません。
「姐さん、あっしはこれからどうすれば……」
「心配要らないよ。あたいが雇ってあげるからね」
峰三郎はムメの箱屋(はこや。