人生は何度かやり直せる。だからこそ真剣になれる――小説第2作『これはただの夏』を燃え殻さんに聞く(2) (4/5ページ)
でも、そういう大変さを味わえたことは良かったと思っています。
ぼんやりしていたところもあったから、自分に発破をかけないといけない時期でしたし、もう1回くらい自分の人生やれるじゃんと思っているのが正直なところですね。
――この小説の中でも優香が「人生って何度かはやり直せそうな気がしている」と言っていましたけど、やり直しはできる、と。
燃え殻:そうですね。自己啓発本を読むと「今が一番若い。人生は何度もやり直せる」って書かれていたりしていて、「何度も」はさすがにないと思うんですよね。でも、「何度か」はやり直せると思うんです。そして、「何度か」だからこそ慎重に、そして真剣に頑張ろうと思うわけです。
真剣にやって上手くいくこともいかないこともありますが、後悔はないです。上手くいかないときは全部自分のせいなんで。人のせいにし始めると、その癖がついちゃうからタチが悪いんですよね。
この本のPVであったり、装丁であったり、いろんなことを自分でやるのはうるさがられてしまうけれど、最終的には自分がすべてを引き受けないと、といった覚悟があるから、そうするんですよね。
――『これはただの夏』をどんな人に読んでほしいですか?
燃え殻:誰にというのはなく、たくさんの人に読んでほしいです。今回は小説を書いたという感覚が強くて、夏にむさ苦しくなく読めるものになっていると思います。
――ツイッターでは本書にかける想いが見えますが、かなり自信を持たれているのかなと。
燃え殻:そうですね。『ボクたちはみんな大人になれなかった』はAmazonのレビューが結構ひどくて、怖気づいちゃうくらいなんですけど、『これはただの夏』は書き上げたときに、評価だったり、部数だったりというものは、良かろうが悪かろうがどっちでもいいと腹をくくれたように思えたんです。この小説を書けたことに満足できたというか。