彼岸とはあの世であり極楽浄土。「お彼岸」の時期はいつ?「お盆」との違いは知ってる? (2/5ページ)
秋の「おはぎ」、春の「ぼたもち」その違いって何?
「彼岸」とはあの世であり極楽浄土でもある
さて、私たちにとっても馴染み深い「お彼岸」ですが、これには宗教的な謂れがあります。
まず「彼岸」という言葉ですが、これには「向こう岸」などの意味と同時に、仏教で言うところの煩悩を脱した涅槃の境地――つまり仏様になった境地という意味もあります。
こうした意味が合わさって、「彼岸」という言葉はこの世のものならざる「あっちの世界」、つまりあの世のイメージも含むようになりました。これに対して「こっちの世界」、即ちこの世のことは「此岸(しがん)」と言います。
もう少し掘り下げましょう。春分の日と秋分の日は、いずれも一年のうちで昼と夜の長さが同じになる日です。日が昇り沈んでいく東西のバランスと、昼と夜のバランスがぴったり均衡になるこの時期は、あの世とこの世が最も通じやすくなると考えられたのです。
ですので、亡くなったご先祖様も、お彼岸になるとあの世からこの世にやってきます。それで私たちもお墓参りに出向く風習ができあがったのです。
そういえばお彼岸には、西に沈んでいく太陽を拝むとご利益があると言われています。