寮を抜け出し4階から帰宅…パラ金メダリスト・木村敬一の驚愕エピソード (3/3ページ)

新刊JP

普段の生活のエピソードとか友達について書いていたら競技について書く尺がなくなってしまった(笑)。

――よくあるアスリートの方の本は、「挫折を経験しても、それがのちの成功につながった」という感じで、わかりやすく挫折と成功の因果関係が示されていることが多いのですが、木村さんはそうではないのが新鮮でした。挫折は挫折、失敗は失敗でフラットに捉えているといいますか。

木村:たぶん、人生ってそんなに美しくわかりやすい因果があるものじゃないと思うんですよ。自分のことを振り返っても、失敗をバネに何かしてきたわけではないですし。

挫折があったから成功したっていう因果関係を結んだ方がきれいかもしれませんが、人生はかならずしも全てがきれいにはまりあってはいないじゃないですか。失敗や挫折があとでどこかにつながることはあるかもしれませんが、パズルのピースみたいにきれいにはまるわけではないと思います。

――各章の間に入っているコラムは、視覚障害のある方にとって世界がどう感じられているかというところで気づかされる点が多かったです。街づくりでバリアフリーの概念が取り入れられることが今では当たり前になりつつありますが、子どもの頃と比較して、暮らしやすくなったという実感はありますか?

木村:東京は圧倒的に暮らしやすいですよ。田舎だとJRの人員削減でそれなりに乗降者数がいても無人の駅は多いですし。

――東京に出てきてからはいかがですか?

木村:暮らしやすくはなっていると思います。テクノロジーの進歩もありますし、以前より声をかけてくれる方も増えました。社会が優しい方向に向かっているのかなとは思います。

――タッチ式のタブレットは視覚障がい者の方には難しいというお話は確かにそうだと思いました。スマートフォンやタブレットに限らず、最近は家電や機械類はつるつるしたデザインのものが増えましたよね。

木村:みんなにとっていいものはなかなかないですからね。すごく手の握力が弱くてボタンを押すのが大変という障がいのある方もいるんですよ。そういう人からするとタッチパネルはすごく便利だと思います。

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