教員が見るべき「学生のやる気」を知ることができるポイントとは? (3/5ページ)
――今回、文庫化するにあたって改訂を加えているとのことですが、具体的にどのような点を改訂したのでしょうか?
中村:まずは序章と終章のデータを最新のものに更新しました。また、メインとなる第4章の学生のサンプル数を約6倍に増やしています。この章では大学を途中で退学してしまう除退者について分析しているのですが、どのタイミングで除退するかといったことも識別して分析しています。他には細かい表現を変えたりしています。
――本書では学生たちの「書く」という行為から、いわゆる「意欲」「やる気」を割り出していきます。やはり意欲のある学生とない学生は「書く」部分に差が出てくると。
中村:本書の第1章を読んでいただければ分かると思いますが、一目瞭然ですね。まるで違います。真ん中の偏差値帯では、学習に対して意欲的でなかったり、好奇心が旺盛でない子たちは、10分くらいで講義の感想を書きなさいと言われたときに、だいたい「●●が分かって良かったです」という書き方をするんです。まずはそこに出てくる。
――感想を書くときの定型文ですね。
中村:高校の段階からこういう書き方が許されていて、彼らは「それ以上突っ込みが入らないようにするためのスキル」としてこの書き方を身につけている。そう書いておけば、「そうか、ここが分かったのか」と先生たちは褒めてくれますからね。
僕の場合、こう書いてきた子に対して、返すときに「今後はこういう風に書くな」と釘を刺します。定型文を封じるわけですね。
――この定型文は、高校はもとより前からずっと使っている文章なので、封じられると手がない学生も多いのではないですか?
中村:そうです。ただ、頭のいい子って、そこから早い段階で抜け出していくんです。それに、多くの学生は質問に対して上っ面な回答をすることが多いんですが、賢い学生は薄皮を1枚でも2枚でもめくったところを書いたり、教員が提示した問題からちょっとずれたことを書いたりするんです。彼らはそういう風にして教員を瀬踏みしているんだと思います。