日本で最初の探偵・岩井三郎が挑んだ大正時代の収賄事件「シーメンス事件」の真相【後編】 (2/3ページ)
入札を利用した癒着
行政機関は、特定の企業と癒着しないよう、「入札」という仕組みを利用して公平に商品やサービスを購入します。
シーメンス社と旧日本帝国海軍は、この入札をうまく利用し、癒着していました。入札を簡単に説明すると、行政機関が入札前に下記のような情報収集し、希望する企業に価格競争をさせて、適正価格を提示した企業と契約を結ぶことです。
・予算の範囲内であるか
・どういった企業が入札に参加するのか
・競売にかけられる商品の相場はどれぐらいか
そうすることで、行政機関が自由に契約先を決めることができなくなり、特定企業との癒着をなくした公平かつ公正な取引が行われていました。
けれどシーメンス社は、旧日本帝国海軍の重役に賄賂を送って入札に関する情報を入手し、適正価格の入札することで契約を勝ち取っていたのです。
不正を繰り返し、契約を勝ち取ることにより、シーメンス社の売り上げはアップ。入札情報をリークした海軍の担当者は賄賂で私腹を肥やすなど、お互いに甘い汁を吸う状況が続いていました。
真実を暴いた私立探偵「岩井三郎」私立探偵になり、警察という公的機関の呪縛から解き放たれた岩井は、旧日本帝国海軍の圧力に屈することなく独自の捜査方法と警察官時代に培った情報網を駆使して捜査。
旧日本帝国海軍とシーメンス社の癒着とともに、双方が利用していた入札の抜け道を暴きます。
そして、暴かれた真実をもとに、海軍少将と大佐、三井物産の重役までもが次々と逮捕されました。
近代の最大疑獄事件「シーメンス事件」の解決に大きく貢献した岩井は、その名を日本全国に轟かせ、「探偵」という職業を確立させたのです。
