ヴァイオリニスト・古澤巖「30年以上続けられたのは、葉加瀬太郎との出会いがきっかけ」【人間力】インタビュー (2/2ページ)
ロマ音楽を取り入れ、照明に凝ってみたり、衣装で遊んでみたり、合間にトークをしたり……。
最初はニーズがなかったのですが、だんだんと喜んでいただける人が増えてきた。自分たちで市場を作っていけたんですね。
■違う世界を知ることは、音楽に大きなプラス
その後、葉加瀬くんは『クライズラー&カンパニー』という自分のバンドを結成し、別々に活動することになりました。でも、2006年からは同じHATSレーベルに所属することになって、また一緒にステージに立つ機会が増えましたね。僕は、音楽以外のことにも、いろいろと取り組んでいます。ただ、どれも自分で計画したものじゃなく、全部なりゆきで始めることになったものばかり。居合や合気道を習ったのは、たまたま知り合った方とのご縁ですし、サーフィンは宮崎県の日向でお誘いを受けて、やってみたら見事にハマった。
東日本大震災のチャリティイベントで知り合った寺田陽次郎さんにはレースに誘われました。僕は車好きなので、「ここで断ったら、一生チャンスはないだろう」と思ってチャレンジ。5年たって、ようやく最下位を脱出できるようになりました(笑)。
でも、違う世界を知ることは、音楽に大きなプラスになっていると思いますね。
僕は今年で62歳。今も年間で150公演をこなしています。ただ、昨年はコロナ禍でコンサートができない時期が半年ほどありました。その間は、学生時代のように、自分のフォームを確認して、気になる部分を修正することに時間を費やしました。ちょうど60歳を過ぎたこともあって、“ここが自分の折り返し地点だ”という気持ちになれましたね。
これまでの30年間、経験を積んできた音楽家が、これからの30年間、どのようなコンサート活動をするのか――。もし時間が与えられるなら、それを多くの皆さんに見ていただきたいと強く思っています。
古澤巖(ふるさわ・いわお)
1959年、東京都出身。内外のコンクール優勝後、1986年に葉加瀬太郎氏と出会い、クラシックの枠にとらわれない演奏活動を始める。毎年12月にはベルリン・フィル・ハーモニー管弦楽団のメンバーとの全国ツアーなど、世界的な音楽活動も続けている。また、NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』等にも出演。現在放送中の『Dの旋律~ダンスと映画と音楽と~』(テレビ東京系・BSテレ東)にレギュラー出演している。洗足学園音楽大学客員教授。最新アルバムは『The Ecstasy of Gold』。