大学教員と学生の関係構築は「最初の一ヶ月」で決まる? (3/4ページ)

新刊JP

また、テキストの内容に関しては、1個1個の設問と回答に対して全部フィードバックをするのですが、それで書き方が変わるのもだいたい2割です。

基本的には教育実践の場で、学生や受講生をどれだけ動かせるかというのは、2割を目安に考えたらいいのではないかと思います。2割がこちらの意図通りに動けばOKと。

――2割だと少ないような気もしますが…。

中村:これは、たとえば小学校で6年間同じ先生で2割だったら困るんですよ。1年間同じ先生で2割。そこで担任が変わって目線が変わるから、そこでまた2割。これが6年間積み重なったら、1人ひとりの児童が必ず誰かの目に留まるはずです。

これが中学・高校になると、教科担任制になる。生徒数は増えるけど見る先生も増えるから、1人の先生につきしっかり見る生徒は2割で十分なんです。大学になったら、さらに見る人が増えますよね。学校教育って組織でやる部分もありますから、1人ひとりの2割が重なっていけば、だいたいの児童、生徒、学生は網羅できるようになっているんです。

ただ、もちろんそこから抜け落ちる子もいます。大学だとそれが除退者ですよね。それはもうしょうがない。次のステージで見てくれる人とめぐり会えることを願うばかりです。

――『学生の「やる気」の見分け方』ですが、どのようなポイントが読みどころでしょうか。

中村:あえて選ぶとすると、第4章の除退予備軍をあぶり出す章ですね。この章では、学生が作成したシートの記述内容をテキストマイニングでデータ化して、そのデータが中途退学の可能性のある学生を発見できるかどうか検討しています。

この分析の特徴は、通常だと単語同士の繋がり具合、いわゆる共起関係の分析だけで終わるんですけど、僕はさらにテキストデータと、そのテキストを書いた人間の属性データを組み合わせて、新たなことが言えないかを探っています。大風呂敷を広げると、テキストデータの分析の可能性を広げたということですね。

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