大谷吉継の首級はどこに?湯浅五助との約束を果たした戦国武将・藤堂仁右衛門 (2/4ページ)
「……御意」
吉継の介錯(斬首)を済ませた五助はその首級を抱えて戦場を離脱、ここなら見つかるまいと首級を埋めたのですが、敵の追手である藤堂仁右衛門に見つかってしまったのでした。
「そこに埋めたは、大谷刑部が首級(くび)なるか!」
最早これまでと観念した五助。しかし一縷の望みに賭けて、仁右衛門へ取引を持ちかけます。
「藤堂殿……我が首は差し出すゆえ、どうか主の首級はお見逃し下さらぬか」
吉継の首級(足元の血塗れた包み)を守ろうとする五助。落合芳幾「太平記英勇伝九十四 湯浅吾助」
仁右衛門にしてみれば、吉継の首級を諦める代わり、五助の首級だけは確実に手に入る、悪い話ではありません。
もちろんこの場で五助を討ち取れば、首級は2つ手に入るのですが、何せ五助は手強いですから、返り討ちにされてしまい、手柄どころか自分の命さえ失います。
かと言って、一度引き返して増援を要請すれば五助は討てるし、覚えた吉継の首級も掘り返せるでしょうが、自分の手柄としては限りなく評価が低下してしまうでしょう。
一番よいのは、五助を討ち取ってから約束を反故にすれば、完全ノーリスクで首級が2つ手に入る……この一択です。