藤原定家の恋情が葛(定家葛)となり式子内親王の墓に絡みついた話 (4/5ページ)
■伝説が誕生するための条件
民俗学者の小松和夫は『「伝説」はなぜ生まれたか』(2013年)の中で、「伝説は植物のように、特定の地域で、特定の場所や事物や人物にからめて語られている。したがって、その話をそのまま別の地域に容易には移植できない」と論じているが、まさに「藤原定家」、「式子内親王」が生きて死んだ京の都、しかも定家の「時雨亭」があったとされる「場所」、更に式子内親王の墓と伝えられる古い五輪塔が、16世紀の般舟三昧院の建立以前から存在していたからこそ、北海道を除く日本全土に自生する常緑のつる性植物である「定家葛」と結びついて語り伝えられ、謡曲『定家』が成立したのだろう。
■最後に…
しかし時を経て、今回の国立極地研究所・統計数理研究所が行った、「近年の観測データを用いて統計的に検証し、その手法を地磁気モデルに応用する方法で、過去3000年のオーロラ帯の変化を連続的に再現する」ような、科学的かつ学際的な試みがなされたとしたら、先に述べた「藤原定家」「式子内親王」「定家葛」の伝説に新たな事実が判明する可能性もある。