川村元気が語る「作り手としての終わり」を感じる言葉とは? (4/4ページ)

新刊JP

――そうした気持ちを乗り越えるには、常に何かしらの探求心を持つことが必要だと思います。

川村:そういう自分に不安になるんです。これを知らないで世の中からズレていって、よく分からないうちに人を傷つけたり、自分が病んでいったりすることがあるんじゃないかって。探すというのは人間に与えられている武器ですから、それは手放すべきではないですよね。

――本書は『百花』から2年半ぶりの長編小説になりますが、小説は今後も定期的に書き続けていく予定ですか?

川村:そうですね。僕にとって小説を書くということは、「自分にとって分からないことや知りたいことを知るための行為」です。

この『神曲』という小説は、何も信じられない自分や、何かを信じきっちゃっている人の怖さみたいなものを知りたくて書きました。そして、書いたことで見えてきたものがたくさんありました。でも残念ながら、また知りたいことが新たに出てきます。それを知るためにまた小説を書く。知りたいと思うことがなくならない限りは書いていくと思います。

――最後に、2年半ぶりの長編小説『神曲』について、読者の皆さんのメッセージをお願いします。

川村:「神」や「不信」というテーマを設定したとき、奥深いけれど狭いところに手を突っ込んでしまったと思ったんです。でも、書いていくうちに、こんなに他人事ではないテーマはないとも思いましたし、テーマ自体がすごくエンタテインメントだということに気づきました。信じていたものが信じられなくなる瞬間はや、何も信じていなかった人が何かを信じる瞬間はとてもドラマチックなんです。

――ありがとうございました!

(了)

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