燃え盛る炎の中へ…決死の覚悟でみんなを救った奈良時代の英雄・川部酒麻呂のエピソード (2/3ページ)
「総員防火かかれ、延焼を防げ!」
折しも船は追い風を受けており、このままでは火災が船首に向けて燃え広がってしまいます。
「ダメです、火がこっちに向かって防ぎきれません!」
風に煽られて火災はどんどん燃え広がり、このままでは大海の真っただ中で沈没を免れません。
「風向きさえ変われば……」
しかし、そう都合よくは行かないのが世の中というもの、ここでもやはり現実は非情です。
「……よし、船の向きを変えよう!」
船首を風上に向けることで火勢を船尾⇒船首から、船尾のままに留め、消化しやすくなります。
「俺が舵を切って保持し、船首の向きを変える」
ここで酒麻呂が進み出たものの、舵はすでに炎の中。大火傷は免れないでしょう。
「それでも、みんなここで沈むよりマシだ。俺は行くぞ!」
かくして酒麻呂は燃え盛る炎の中で舵にとりつき、身体の焼けただれるのも構わず、船首の向きを変えることに成功。