ナメられたら斬り殺せ!武士道バイブル『葉隠』が伝える殿中での抜刀事件、その判決は? (2/4ページ)
「あの、これは……?」
「膾にござる」
「それは見て判るが……川魚を生で食うたら中毒(あた)りますぞ?」
川魚には寄生虫がいるから、火を通さねば食えぬ事も知らんのか……あきれた客人は帰って人に話したようで、人々は「徳久殿の鰌膾」と笑い者にしたのでした。
(自ら調理して提供したのか、あるいは妻や下人の失態によるものかは分かりませんが、間抜けな変わり者との前提があるため、恐らく本人が調理したのでしょう。この事から、徳久某が独身の下級武士と推測できます)
そんなある日、この徳久某が佐賀城へ出仕した際、先日の件をからかう者がいました。
「よぅ、鰌殿。腹は下しておらぬか?」
「……うるさい」
「胃薬はいらぬか?なぁ、なぁ……」
あまりのしつこさに腹を立てた徳久某は一刀の下にその者を斬り捨て、当然のごとくこれが問題となります。
「殿中にて刃傷沙汰に及ぶなど不届き千万。徳久殿には切腹を申し付けるべきにござろう」
そうだそうだ……会議が決しそうになったころ合いで、藩主の鍋島直茂(なべしま なおしげ)が言いました。