異界をつなぐ「出合」「坂」「橋」…その日本語に込められた意味にあなたは気がつけますか? (3/3ページ)

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黄泉比良坂(photoACより)

聖なる場所は概ね高い場所に造られます。山岳信仰の色濃く残る霊山には、「坂」である登山道に鳥居や注連縄があり、結界を示しています。そこから先は神の国、そして必ず山頂に祠や社があります。そのため、後世日本に伝来した仏教寺院も、もともと山中にある神社の近くに作られることが多々あります。

比叡山には日枝神社が既に存在しており、日枝の音から「比叡」となりました。高尾山も高尾山神社のすぐ下に「薬王院」が造営され、御本尊は「飯縄大権現」です。権現は、神が仏の姿を借りたとされています。仏は後で、先に神がいたのです。

比叡山(photoACより)

また「アイ、サカ、ハシ」の近くには巨木や巨岩が存在することもあります。注連縄がかけられ、鳥居が設けられて神聖なものとされていることも多々あります。

注連縄によって神聖な場所だと人に知らしめ(禁断の結界)、その逆に、雷が落ちて木や岩が割れると神の怒りと捉えられ、たくさんの人間から祈りが向けられるように鳥居を設けられた場合もあります(祟りを鎮める)。

日本の精神世界において、自然信仰(アニミズム)は表裏一体、陰と陽なのです。

参考文献:日本異界図典(朝里樹、ジー・ピー)「里山奇談 よみがえる土地の記憶」(coco/日高トモキチ/玉川 数、角川文庫)

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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