【続編】年金目当てに老人の遺体を担いできた男の1人は甥だったことが発覚

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先日、アイルランドで男2人が年金欲しさに、遺体を郵便局に持ち運び、生きているように装うというニュースをお伝えしたが、新たな事実が報じられた。
現場から逃げたとされていた男2人のうちの1人が、亡くなった男性の甥だったことが明らかになったのだ。
実はこの甥、以前にも身内から金銭を盗んだことで知られており、地域住民らは怒りを露わにしているが、甥は「年金目当てではない」「死んでいるとは知らなかった」と主張している。『Belfast Live』などが伝えた。
・年金受給者である叔父の遺体を郵便局へ連れてきた甥
1月21日、アイルランド東部カーロウ県にある郵便局にピーダー・ドイル(66歳)さんの遺体が、男2人に抱えられる格好でやって来た。
男らは、ドイルさんが生きているように装い、不正に年金を受け取ろうとしたのだ。
職員はドイルさんの様子がおかしいことに気付き、警察に通報。男2人は現場から逃走したと伝えられていた。
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警察では、ドイルさんの死亡時間や状況確認の捜査をしていたが、検死の結果ではドイルさんの死亡推定時刻は発見時から3時間未満とされ、死因に疑わしい点はなかったことが確認された。
現時点では、ドイルさんがどのような状況で死亡したか、その経緯を捜査中であることを明かした警察は、ドイルさんを抱えて郵便局へ来た男2人の身元を発表した。
なんと2人の男のうちの1人は、ドイルさんの甥のデクラン・ハウニーさん(40歳)だったという。
21日の朝、デクランさんは友人のギャレス・コークリーさんと、ドイルさんの自宅から5分離れた場所にある郵便局にドイルさんを連れてきたが、郵便局に着くまでに死んでいることなど知らなかったと主張している。
・地域住民らは甥の行動に非難の声Man who took uncle's corpse to post office for pension 'didn't know he was dead'https://t.co/YwUDmHMJl5 pic.twitter.com/aRn6bum5YW
— The Mirror (@DailyMirror) January 24, 2022
メディアの単独取材に応じたデクランさんは、2日ほど前からドイルさんの容態が悪かったことを話した。
ベッドの下に横たわっていたおじを自分が見つけて、気分が優れないというのを聞いた。でもその後、友人とおじを郵便局へ連れて行った。しかし、このデクランさんの主張を地域住民は誰1人信じていないようだ。
おじを置いて郵便局から離れたのは、心臓発作を起こしたおじのことを身内に連絡しようと思っただけだ。
実は、デクランさんは住民たちには麻薬中毒者として知られており、過去にもおばからお金を盗んだとして非難されていたという。
そのため、今回もドイルさんの年金目当てでやったことだろうと、近所の人たちは怒りを隠せず、中にはデクランさんを「人でなし!」「最低野郎!」と罵って、殴った者もいるようだ。
目に青痣をつけながら、デクランさんはこのように語っている。
だから、前のおばの件があるから、今も自分がおじの年金目当てでやったと言われているけれど、だまし取ろうとなんてしていないって!もし部屋でおじが死んでたなら、死体を引きずって郵便局まで運ぶわけないじゃないか。
おばの件だって、彼女の家に銀行カードが届いたから、ピンナンバー(4桁のパスワード)をおばに聞いてお金を引き出そうとしただけなのに、詐欺扱いされたんだ。
クスリだってもうやってないし、止めて今年の5月で3年になる。町の人が言っていることはみんな出鱈目だ。記者のあんたならどれが真実か嘘かはわかるだろう!?これで自分が嘘をついているなら、よほどの演技力でオスカー賞を貰えるぐらいだよ。
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・ドイルさんの葬儀で棺を担ぐデクランさんの姿が
事件から数日後の1月24日、ドイルさんの葬儀が執り行われた。
デクランさんは、他の身内とともに、ドイルさんの棺を担ぐ棺側添人として姿を現したが、目の痣は痛々しく残ったままだ。
ドイルさんをよく知る隣人は、「本当にいい人だった。みんな大きなショックを受けている。何が起こったのか推測したくないけれど、悲しい出来事となってしまった。デクランさんにはみんな怒っている」と本音を吐露している。
何が本当で、何が嘘なのか。警察の発表がない限り今のところは不明だが、現時点ではデクランさんは起訴されていないそうだ。
なお、当時郵便局までドイルさんを運んだ友人のコークリーさんは、地域住民たちの怒りを買うことを恐れたのか、事件以来行方がわからなくなっているという。
written by Scarlet / edited by parumo
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