令和時代のニキビ治療 ~根本から治せるようになった一方で、耐性菌の問題も~ (4/6ページ)

バリュープレス

例えば、虎の門病院の外来受診ニキビ患者における調査(野口ら*2)では、ニキビ治療によく使われるクリンダマイシンの耐性率は、2013年では37.5%であったのに対し、2018年は56.5%と増加傾向であると思われます。また、同調査でクリンダマイシンと交差耐性を示すクラリスロマイシンの耐性率は2013年で46.9%、2018年では60.9%でした(グラフ)。*2 Aoki S, et al: J Dermatology 48:1365-1371, 2021
 しかし、クリンダマイシンは外用で使われ、外用剤は面皰に薬剤が高濃度に達するため耐性菌は出にくいとされています。またクラリスロマイシンは内服薬ですが、ニキビ治療にはあまり使われていません。一方、内服でよく使われるドキシサイクリン耐性率は2018年時点で5%以下でした。これはどういうことなのでしょうか。

  黒川先生は1つの可能性として、「他科における内服抗菌薬による治療」を挙げています。マクロライド系のクラリスロマイシンはクリンダマイシンと一部交差耐性を示します。マクロライド系の内服薬はいわゆる「かぜ」の治療で多く処方され、耐性菌が問題となっています。その影響がアクネ菌にも及んでいるのではないか、というわけです。一方で「ドキシサイクリンなどテトラサイクリン系は、アクネ菌に対しては耐性を作りにくい性質がある」と黒川先生。いずれにしても、耐性菌は1つの診療科だけの問題ではなく、医療全体で考える必要があるといえそうです。

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