令和時代のニキビ治療 ~根本から治せるようになった一方で、耐性菌の問題も~ (3/6ページ)

バリュープレス

2008年にアダパレン、2015年に過酸化ベンゾイル(BPO)という「面皰に効く」外用剤が登場したのです。それまでの治療は炎症を起こしたニキビに対するもので、主に抗菌薬が使われていました。抗菌薬はアクネ菌の増殖は抑えるものの、面皰には効きません。炎症が治まっても面皰は残るので、再発しやすいことが問題でした。
 これに対し、アダパレンやBPOはニキビの大元ともいえる面皰に作用して、毛穴のつまりを改善します。炎症を起こしたニキビはもちろん、面皰だけのニキビも治療でき、「これらの外用剤だけで改善する人も多い」と黒川先生。BPOは殺菌作用もあることから、赤ニキビや黄ニキビにはBPOが、白ニキビや黒ニキビにはアダパレンが主に使われます。現在では抗菌薬とBPOの配合剤、アダパレンとBPOの配合剤もそろい、さらに選択肢が増えました。黒川先生は「今はいい薬があるので、自分で悩まずに皮膚科を受診してほしい」と呼びかけています。

炎症がひどいニキビでは抗菌薬も併用
 ニキビは感染症ではありませんが、炎症にアクネ菌が密接にかかわっていることからアダパレンやBPOに併用する形で、外用や内服の抗菌薬を用いる場合もあります。よく使われるのは外用ではクリンダマイシン、内服ではドキシサイクリンやミノサイクリンなどです。いずれも対象は炎症を起こしたニキビで、かつ顔半分に6個以上ある場合(中等症以上)です。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3NjQxMyMyODkxODMjNzY0MTNfSkFTWkx1c2pPay5wbmc.png ]
薬剤耐性アクネ菌が増えている  ~他科での内服抗菌薬治療も影響か~
 抗菌薬が使われているとなると、気になるのが耐性菌です。実際日本でも、2010年頃から薬剤耐性アクネ菌は増加傾向にあります。

「令和時代のニキビ治療 ~根本から治せるようになった一方で、耐性菌の問題も~」のページです。デイリーニュースオンラインは、AMR臨床リファレンスセンターAMR国立国際医療研究センター薬剤耐性菌感染症ネットなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る