幼い頃家を出ていった父親は、ずっと息子のことを思い続けていた。父とチョコレートの思い出 (2/4ページ)

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それから、父親は、折に触れ男性にチョコレートを渡すようになった。

 だが母親は、「今後あの男から何か受け取ったら、あんたはもう私の息子じゃないからね!」と激しく叱った。

 男性は自分を必死で育ててくれている母親の気持ちが痛いほどよくわかった。母親のことを思うと、父親から何も受け取ることができなくなった。

 男性は成長するに従い、自分たち家族を捨てた父親を軽蔑し、怒りを感じるようになっていった。

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・父親が再婚し、疎遠となる
 その後、仕事のために別の都市へ引っ越した父親が、そこで知り合った女性と再婚したことを聞いた男性は、「もう父は自分と母のことなど、どうでもいいのだ」と悲しんだ。

 定期的に息子宛てに届けられていた父からの手紙は、次第に少なくなり、やがて途絶えた。

 父親に対するやるせない思いは男性の中で大きくなっていった。母親や親族は、父親の身勝手さについていつも文句を言っているのを聞いて育ってきたからだ。

 しかし、やがて月日が流れ、男性は大学を卒業し、就職。そして結婚し、子供が生まれた。母親とはずっと一緒に暮らしていた。今まで育ててくれた恩返しをしたいと男性は思っていたのだ。

 その頃には、父親のことを考えることもあまりなくなっていた。・突然現れた老人男性にチョコレートを手渡される
 そんなある日、仕事からの帰宅途中、男性は家の前に身なりの整っていない男性が立っていることに気付いた。

 近付くと、その老人男性はチョコレートの箱を手渡して来た。そして、「君は、小さい頃チョコレートが好きだった」と何度も言い、去って行った。

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