なんと「おでん」の歴史は800年以上!ごく身近な料理の歴史と多彩さに驚愕 (2/3ページ)
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おでん
上方の煮込み田楽の誕生です。
これが汁気たっぷりの今のおでんの原型といわれていますが、当時は汁に味を付けていませんでした。
さて、江戸時代後期になると、江戸近郊の銚子や野田で醤油の醸造が盛んになり、安い醤油が庶民にも行き渡るようになります。
「早さ」が追求された江戸時代、温めてから味噌を塗って食べる関西式の味噌おでんは手間がかかるため、この醤油を用いた汁で煮込んでそのまま食べる江戸式のおでんが流行していきます。
明治になると練り物が誕生して、おでんダネの種類は一気に増え、煮込みおでんから、汁気たっぷりのおでんへと変わっていきます。どんどん、私たちの知る「おでん」の形が固まっていきますね。
大正を迎えて、関東のおでんも関西へ広がっていきますが、関西では醤油による濃い色が好まれず、薄口しょうゆを使うようになり、これは関西煮(かんさいだき)とも呼ばれました。
関西煮も、かつおだしと昆布だしを使う点は関東のものと同じですが、味つけ、煮込み方、具材が異なります。
関東味のおでんは、濃口しょうゆに砂糖と酒を加えて甘辛い味でぐつぐつ煮込むのに対し、関西味のおでんは薄口しょうゆにみりんと塩を加えるあっさり味です。
変幻自在の「おでん」おでんは、昭和になると、すぐに食べられる手軽さから駄菓子屋や居酒屋、屋台などで扱われるようになります。