米空軍、月軌道にスパイ衛星を周回させるプロジェクトを発表
[画像を見る]
米空軍が月軌道にスパイ衛星を設置し、月周辺の巡視を開始する予定だそうだ。
これまで米国の宇宙ミッションは、地球上空35000キロをカバーしてきた。だが、空軍研究所はそれを10倍に広げようとしている。
米国の活動範囲は1000倍になり、月の裏側からシスルナ(地球月圏)領域まで手が届くようになるという。
・地球と月に挟まれた宇宙すべてを監視
このプロジェクトは、先日、米空軍研究所が公開した「シスルナ・ハイウェイ・パトロール・システム(CHPS/Cislunar Highway Patrol System)」という動画で明らかにされた。
[動画を見る]
Cislunar Highway Patrol System (CHPS)
プロジェクトの詳細はまだ不明だが、空軍研究所によると、CHPSは「シスルナ領域おける基礎的な宇宙認識力を実証するための宇宙飛行実験」であるという。
「シスルナ領域」とは地球と月に挟まれた宇宙のことで、米軍はこの間にあるすべてのものを監視対象に置こうとしているのだ。
驚くほど野心的なプロジェクトで、月の周囲に軍の機器を設置する正当性について、いくつもの倫理的な疑問が浮かんでくる。とりわけ現在、再び月を目指し、人類を送り込もうという機運が高まっているのだから、なおのことだ。
[画像を見る]
・空軍が主導し宇宙軍が活用を考案
同プロジェクトは、米軍の諸機関が連携して行われる予定だ。CHPS衛星の開発は空軍が主導する一方、宇宙軍はそのもっともふさわしい活用法を考案する。
「シスルナ領域の状況を把握し、米国の活動に対する潜在的脅威を特定する最初のステップです」と、セキュア・ワールド・ファンデーションのプログラム計画責任者ブライアン・ウィーデン氏は語る。
空軍研究所は、CHPS以外にも、シスルナ領域向け小型人工衛星を研究したいと考えているようだ。
[画像を見る]
・2025年に打ち上げ予定
どうも米軍は、状況の変化が想像以上に速いことに、焦りを感じているようだ。
「米国の宇宙システムへの脅威となりかねない敵対的活動が起きるだろうことは、数年前から予測されていました。ただ、ずっと先の話だろうと高をくくっていたのです」と、空軍研究所宇宙船局の責任者エリック・フェルト氏は話す。
「ところが、すでにたくさんの活動が行われていました」
「あまりのペースに、シスルナ領域関連の計画はあるが、もっと急がなくちゃならん、となったわけです。物事の動きは想像以上に速いぞ、とね」
CHPS衛星の具体的な打ち上げ時期は不明だ。目下、空軍研究所は人工衛星の開発を担うパートナーを探しているという。
フェルト氏によると、今年の夏にパートナーと契約を結び、2025年の打ち上げを目指しているとのことだ。
References:The US Space Force plans to start patrolling the area around the Moon | Ars Technica / written by hiroching / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』