冷たい水がメガロドンを巨大化させたという研究結果
[画像を見る]
「メガロドン」は、約1500万年~360万年前に生息していたと考えられている史上最大級の絶滅種のサメである。
断片的な化石しか残されておらず、詳しいことはわかっていないが、新たな研究によると、メガロドンは、暖かい水域よりも寒い水域で、より大きなサイズに成長した可能性が高いという。
学名オトドゥス・メガロドン(Otodus megalodon)は、ネズミザメ科の仲間で、少なくとも体長15メートルもの巨大な体躯を誇っていた。
米デポール大学の古生物学者 島田賢舟教授は、その化石が発見された地域と大きさとの関係を調査し、『Historical Biology』(2022年3月6日付)で報告している。
・太古の巨大サメ「メガロトン」
2018年の『MEG ザ・モンスター』のように、映画に登場するメガロドンは決まって怪物のような姿で描かれる。
本当のところ、その姿は歯と脊椎の化石から推測されたものでしかないのだが、それでもメガロドンが巨大だったことには科学的にな裏付けがある。
体長は15メートルと推定されており、中には20メートルに達する場合もあったとする説もある。今回の研究は、歯の化石の発掘地と体の大きさとの関係について、再検証したものだ。
これまで知られていなかったメガロドンの体格パターンを発見しました。”ベルクマンの法則”という、地理的要因によって左右される生態学的パターンが当てはまるようなのですと、島田教授は語る。
[画像を見る]
photo by iStock
・「寒い地域にのものほど大きい」の理論がメガロドンにも当てはまる
「ベルクマンの法則」は、1847年にドイツの生物学者が発表した「寒い地域で暮らす動物ほど体が大きくなる傾向がある」とする理論だ。
寒い地域では体が大きいほうが体温を維持しやすい。だから寒い地域ほど動物は大型化すると考えられるという。
「生物学者は自然のパターンを予測できるよう、いつも生命の法則を探しています。どうもベルクマンの法則は、メガロドンにも当てはまるようです」と、共著者である米カルバート海洋博物館のビクター・ペレス氏は話す。
メガロドンの化石の発掘地では、彼らが子育てをした営巣地とされる場所も見つかっている。
そこで見つかった歯は、他の場所に比べて小さく、子供がたくさんいたと考えられるのだ。だが、今回の研究によれば、その営巣地は赤道に近い暖かい海にあるのだという。
「メガロドンがそこで子育てをしていた可能性がないわけではありません。ですが私たちの研究は、歯の小ささは単純に水温が高く、あまり大きく成長しなかったことが原因であると示唆しています」と、共著者のベルゲン・コミュニティ大学のハリー・メイシュ氏は説明する。
[画像を見る]
image credit:DePaul University / Kenshu Shimada
・寒い地域のメガロドンは大きく、暖かい地域では小さめ
「少し前みんなでフロリダキーズに釣りをしに行ったんです。そのとき何気なく交わした『大型魚はどこに生息するのか?』という会話が、この研究のきっかけになりました」と、米ウィリアム・パターソン大学のマーティン・ベッカー教授は話す。
こんなちょっとした疑問から始まった研究だが、地球温暖化で海洋生物の生息域が極地へ向けて移動した場合の帰結を理解するうえで重要であるという。
本来サメのような頂点捕食動物は、より極地に近い寒い海に生息する傾向がある。
今回の主な結論は、メガロドンはどれも超巨大だったわけではなく、生息域によって違いがあっただろうということです。と、島田教授は述べている。
体長18~20メートルにも達したなどと言われますが、それは寒い環境で暮らすメガロドンに限った話なのでしょう
メガロドンはサイズのみならず、その姿ですらよくわかっていない。ホホジロザメ、ジンベエザメ、ウバザメ、シロワニのどれに似ているのかも、科学者によって意見が分かれている。
とにかく大きいメガロドンさんが太古の昔に存在していたことは確かなので、どこかにたっぷり全貌がわかる化石が眠っていないかしら。南極の氷が溶ければでてくるかしら。
References:Cooler waters created super-sized Megalodon, latest study shows / written by hiroching / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』