武田鉄矢「三流フォークシンガーには夢のような話でした」高倉健との不朽の名作『幸福の黄色いハンカチ』の秘話【独占インタビュー】 (2/3ページ)

日刊大衆

だって、手渡された脚本の出演者の欄に、高倉健倍賞千恵子桃井かおり渥美清(特別出演)とあるんだから。三流フォークシンガーには、まさに夢のような出来事でした。

 なぜ、僕が起用されたのかは、よく分かりません。ただ、人づてに聞いたところでは、山田監督は脚本の執筆中に、たまたまパチンコ屋で僕の曲を聴き、この人なら、最近の若者の言葉遣いができるんじゃないかと思ったみたいです」

 ロケは、春の北海道で1か月にわたって行われた。そこで待っていたのは、俳優としての厳しい試練だった。

■カニに当たって、下痢をするシーンも忘れられない

「なにしろ演技経験といったら、歌番組のコントをした程度。ズブの素人ですから。最初は雑貨屋でジャンパーを買うシーンの撮影だったんですが、戸の開け方がなってない、歩き方がダメだと言われ、最後は足の位置を床に書かれました。桃井かおりと出会うシーンでは、駐車場のチェーンに足を取られて転ぶんだけど、リハーサルだけで14回。最初、少し軽めにやったら“リハーサルで手を抜くほど、うまいのか。本気で転べ”と叱られました。

 カニに当たって、下痢をするシーンも忘れられません。車から飛び降りて、片手でティッシュの箱を持ち、片手でケツの穴を押さえて野グソしに走るんだけど、何回やってもОKが出ない。

 山田監督は“これは君にとっての悲劇なんだ。それを、おかしそうに演じるな!”と、すごい剣幕で怒鳴るわけです。

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