武田鉄矢「三流フォークシンガーには夢のような話でした」高倉健との不朽の名作『幸福の黄色いハンカチ』の秘話【独占インタビュー】 (3/3ページ)

日刊大衆

こっちはもう、死に物狂いで芝居してたんですが。でも、山田組で、さんざん鍛えられたから、その後の僕の役者人生があったのは間違いありません」

 初めての映画撮影で戸惑い、途方に暮れ、悪戦苦闘する武田鉄矢に、そっと救いの手を差し伸べてくれたのは、主演の高倉健だった。

「当時、健さんは40代半ばの男盛り。もう、カッコいいのなんの。初めて現場で会ったときは膝が震えました。その健さんが、僕に声をかけてくれたんです。“おまえはいいな。監督は、おまえしか見てないよ。俺なんか、ほったらかしだぜ”僕が“そんなことないですよ。監督は俺が嫌いなんです”と、そっけない返事をすると、健さんは、こう耳打ちするわけです。

 “山田監督は伸びない役者はシゴかないって話だぜ”

 うれしくて、思わず涙がこぼれそうになりました。山田組はロケ先では俳優、スタッフが全員そろって夕飯をとるんですが、撮影も1週間を過ぎた頃、食堂の椅子に座ると、健さんから小さく丸めた箸袋を渡されたんです。広げると、“腹いっぱい食べるな。3人で出かけるぞ。桃井に渡せ”と書いてある。それで食べたフリをして、急いで部屋で着替えて玄関に行くと、健さんが車のエンジンをかけて待っていました。

 連れて行ってくれたのは峠のステーキハウス。もちろん、貸し切りです。健さんに“食いたいだけ食え”と言われるまま、たらふく肉を食べ、うまいワインをガバガバ飲んだものです」

 現在発売中の『週刊大衆』3月28・4月4日号では『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』に出演した際の渥美清との心温まるエピソードも語ってくれた。

「武田鉄矢「三流フォークシンガーには夢のような話でした」高倉健との不朽の名作『幸福の黄色いハンカチ』の秘話【独占インタビュー】」のページです。デイリーニュースオンラインは、倍賞千恵子渥美清桃井かおり男はつらいよ3年B組金八先生カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る