二人の距離、近すぎ♡偉人画集『前賢故実』に描かれた飛鳥時代の武将・大野果安と田辺小隅 (4/4ページ)
「もはやこれまでか……退け、退け!」
連戦に疲れ果てていた田辺小隅の将兵らは散り散りになって敗走。田辺小隅も這々の体で逃げ帰ったということです。
終わりに大野君果安。田辺史小隅。倶 帝大友将也。壬申歳吉野皇太弟兵起。其将大伴吹負。陣乃楽山果安討大破之。吹負僅得脱身。果安追北至八口。登丘遠望。察有伏歛軍。小隅夜半銜枚巻幟。踰鹿深山。襲破田中足麻呂所守倉歴営。足麻呂窘窮偽唱暗号遁厺。小隅又進襲莿萩野営。不利而還。
※菊池容斎『前賢故実』巻第二より
その後、田辺小隅についてはどうなったのか(討死したのか、処罰されたのか等)史料に言及がありません。
一方の大野果安は指揮官を更迭されたものの、戦後に赦されて天武天皇・持統天皇に仕えたと言います。
結局、菊池容斎がなぜ二人をあんなに密接させて描いたのかは謎のまま。単なる想像(妄想?)ということはないでしょうし、何か根拠となる伝承でもあったのでしょう。
二人の親密な距離感はいったいなぜなのか……今後の究明が俟たれますね。
※参考文献:
宇治谷孟『全現代語訳 日本書紀 下』講談社学術文庫、1988年8月 菊池容斎『前賢故実 巻第二』雲水無尽庵、1868年日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan