二人の距離、近すぎ♡偉人画集『前賢故実』に描かれた飛鳥時代の武将・大野果安と田辺小隅 (3/4ページ)
一度引き返そう」
小隅「馬鹿な、ここで手を止めては敵が勢いを取り戻しましょうぞ!」
ここで戦術性の違いから二人は決別。大野果安が引き返した後、田辺小隅は残った手勢で倉歴を突破するべく思案します。
「真っ向から攻めては損害が大きい。よし、夜襲をかけよう」
という訳で、田辺小隅は兵馬に枚(ばい。口に入れて声を出さないようにする道具)を含ませて幟を巻き、敵味方を識別する合言葉を決めました。
「よいか。此度の合言葉は『金』とする。仲間から『金』と呼びかけられたら『金』と答えたら味方だから斬らぬように」
果たして夜襲をかけたところ、数を恃みに油断していた敵の軍勢は大混乱。敵将・田中足麻呂(たなかの たりまろ)は命からがら逃げ出します。
「古来『兵は神速を貴ぶ』と言う。我ら少数ながら精鋭、この勢いで一気に莿萩野(たらの。現:三重県伊賀市)を抜こうぞ!」
……と意気込んだ田辺小隅でしたが、この地を守る敵将・多品治(おおの ほんじ)率いる三千の軍勢に行く手を阻まれてしまいました。