【中国人の女子大生が書いた日本語エッセイ】日本僑報電子週刊で「鶴の橋渡し」コラムスタート (2/4ページ)
」
写真を拾いながら母はそう言って、大事そうに渡してくれた。
そこには、わたしともう一人の女の子が写っていた。桜色の振り袖姿のわたしの隣に、水
墨画のような薄青い大袖に「一片式」という水色のプリーツスカートを身に着けた黒髪の
女の子が微笑んでいる。彼女は両手を合わせながらお辞儀をしようとしていた。袖口には
白い鶴が松の枝を咥えながら、いきいきと羽ばたいているようだった。
それは、はじめてできた日本人の友達とお互いの伝統衣装を交換しながら撮った写真だ。
彼女と知り合ったのはある交流会のときだった。日中平和友好条約の締結40周年を記念し
、当時上海でも各国の青少年の交流を推進するためのイベントが多数開かれていた。
今まで長年、中国で日本語を勉強してきたが、日本人と直接交流する機会が少なく、もし
かしたら日本人の友達ができたらと思い、色々な交流会を調べていた。すると、「伝統衣
装を着て、みんなと交流しよう」という一文が目に入った瞬間、なぜか急に漢服を着たく
なり、その交流会に応募した。
しかし、いざ会場に入り、日本語の環境に囲まれたら、今まで勉強してきた日本語をすっ
かり忘れてしまったらしく、人見知りのわたしは、なかなか初対面の人に声を掛けられな
かった。せっかく交流会に来たのに、このまま誰にも声を掛けなかったら…、でももし変
な日本語を話したらどうしよう、と躊躇していると、
「これはどういう衣装ですか。」と女の子の声が耳に入った。
すると、目の前には、いつの間にか、桜色の振袖を身に着けた小柄な女の子が微笑みなが
ら立っていた。
「これは、中国の伝統衣装である“ハンフー”です。」と答えながら、彼女の着物の柄に
目を引き寄せられた。淡いピンク色の振袖に白い鶴が竹の枝を咥えながら羽ばたき、どう
しても目が離れられなかった。なによりも、その鶴の文様は、わたしが身に着けている漢
服と同じだった。
「ハンフーですか。このような素晴らしい衣装もありますね。同じく鶴文をしているから
、気になって声を掛けました。