「syncrowd - seven chorus」7つの振り子の群れによるキネティック・サウンドインスタレーション展示開催 (3/4ページ)
本作品では、振り子の揺れを減衰させないためだけにモーターを使っており、振り子の駆動力は重力によっておもりが下に落ちようとする自然の力だけである。
「自己組織化」は個体同士の相互作用が変化するだけで、群れ全体の振る舞いが劇的に変化する。例えばコンサートでの拍手の場合、同期すると拍手が遅くなって個々人の興奮が抑えられるため、興奮を表すために拍手を激しくして同期が崩れるらしい。これを表現するために、本作品では、定期的におもりを上下させることで振り子の揺れを乱し、同期状態をわざと壊している。それにより複雑な音環境が生み出されている。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM1MDA3OCMyOTI4OTYjNTAwNzhfTkNBSU9rSElnZi5qcGc.jpg ]
音楽に見られる自己組織化
インドネシアのガムランや千年以上の時を超えて伝えられ独自の発展を遂げた日本の雅楽などは、西洋オーケストラの指揮者のような絶対的な統率力を持たず、コンダクター(指揮者)不在のアンサンブルを成す。それぞれの楽器奏者は互いの演奏を注意し聴きながら、呼吸や目線で演奏をあてはめていく。
自己組織化を踏まえたアプローチの音楽は、人間の作為的なものや感情よりも、森羅万象を映しだそうとする。平安時代末期、北山陰倫涼金によって書かれた「管絃音義」では、単なる基準音による区別ではなく、雅楽の調子に季節、色、方角など様々な意味合いを持たせ、音(調子)と「自然現象」との結びつきを重視した。