人間の肺の中から、新たな細胞が発見される (3/4ページ)
もう1つは、「II型肺胞上皮細胞」の「前駆細胞(別種の細胞に分化できる細胞で、どんな細胞にもなれる幹細胞に似ている)」として働くことだ。II型肺胞とは特殊なタイプの肺胞で、化学物質を分泌して肺胞のダメージを修復する。
「RAS細胞は、私たちが”条件的前駆体”と呼んでいるものです」と、モリッシー教授は説明する。
前駆細胞として働くほか、気道の維持も担っており、肺を健康に保つうえで不可欠な役割を果たしている。
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RAS細胞(左)は培養中にゆっくりとII型肺胞に移行する / image credit:University of Pennsylvania・喫煙によって生じた病気の治療法としても期待
またRAS細胞は、「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」のような喫煙に起因する病気の新しい治療法にもなるかもしれない。
COPDは肺気道の炎症が原因でかかる病気で、喫煙や大気汚染などが引き金となる。気道が炎症を起こすと、肺は酸素を十分に取り込めなくなり、ぜんそくのように呼吸が苦しくなる。
また肺胞が完全に破壊されてしまう「肺気腫」や、激しい咳や痰を特徴とする「慢性気管支炎」に至ることもある。