数百年かかるプラスチックの分解を1日~数日で可能にする酵素を開発 (2/3ページ)
酵素の開発にあたっては、使用済みのプラスチック容器51種、ポリエステル繊維5種、PET製の繊維・ボトルで試験が行われている。
これらの試験では、50度以下でファストペターゼが有効であることが確認されたという。実はこれが重要なことなのだ。
「環境をきれいにするなら、常温で働く酵素が必要です」と、アルパー氏。ファストペターゼはこの要件を満たしているゆえに、将来的にも大きな優位性があるのだという。
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Plastic-eating Enzyme Could Eliminate Billions of Tons of Landfill Waste
・持続可能なプラスチックのリサイクル法
ペットボトルでお馴染みのPETは、世界の廃棄物全体の12%を占めるとされている。しかもきちんとリサイクルされるプラスチックは10%にも満たない。
ファストペターゼはこうした状況を多少なりとも変えてくれるかもしれない。
研究グループによれば、比較的安く、持ち運びができ、産業レベルに規模を拡大するのもそう難しくはないという。
現在、プラスチックを廃棄処理する主な方法は埋め立てだ。しかしプラスチックは自然界でなかなか分解されない。
焼却することもできるが、これは高コストで、大量のエネルギーが必要となり、有害なガスまで発生する。それゆえにもっと持続可能な別のプラスチック処理法が求められているのである。
「合成バイオテクノロジーから、化学エンジニアリングや人工知能まで、異分野を融合させる威力を実証しています」と、研究グループのアンドリュー・エリントン氏は語っている。
この研究は『Nature』(2022年4月27日付)に掲載された。