【鎌倉殿の13人】源義経に「第3の女」現る?政略結婚で源氏に嫁いだ平家一門の娘・蕨姫のエピソード (2/5ページ)
義経に差し出された蕨姫。果たして気に入って貰えるだろうか?(イメージ)
本当は現妻が生んだ18歳の娘盛りもいたのですが、そっちは大事にとっておく辺り、ちゃっかりした父親ですね。
……(前略)……「当腹の姫君の十八になり給ふを」
と申されけれども、大納言(時忠)それをばなほ悲しき事に覚して、先の腹の姫君の二十三になり給ふをぞ、判官には見せられける。(意訳:18歳の姫君を差し出すのはより悲しいので、先妻の生んだ23歳の姫君を義経に差し出した)
これも年こそ少しおとなしうおはしけれども、見目形美しう、心様優におはしければ、判官ありがたう思ひ奉つて、元の上(正室)、河越太郎重頼が娘(里。郷御前)もありしかども、これをば別の方、尋常にしつらうてもてなしけり。
(意訳:少し大人しい≒年がいっているけど、美人で気立てもいいので、義経は気に入った。正室もいるけど、彼女を側室として丁重に迎えたのだった)
※『平家物語』巻第十一「文の沙汰」より
いや、そんな事を言われても……普通に考えれば、平家一門の娘を身内に迎えたらどんなトラブルに見舞われるか、分かったもんじゃありません。
しかし、義経はこれを承諾。静のような愛妾ではなく、きちんと側室(別の方)として「尋常にしつらうてもてなし」つまり丁寧にお迎えしたのでした。