ぼぼ、珍宝、魔羅(まら)…移ろいゆく女性器、男性器の呼び名を江戸文化から辿る (2/3ページ)

Japaaan

男性器の呼称は?

では男性器はどうでしょうか。

古事記ではイザナギノミコトは自分のものを「成り成りて成り余れる処」と表現。古代ではまだ漢字がなかった時代は「ほこ(矛)」と発音していたともいう。 江戸時代の平賀源内の『痿陰隠逸伝(なえまらいんいつでん)』(明和五年(1768)の作)にはいろんな名称が登場。「屁子(へのこ)、珍宝、魔羅、てれつく、陰茎」などなど。

※ちなみには魔羅は仏教の梵語のことで、「修行を妨げ人の心を惑わすもの」という意味。そこから転じて僧侶が隠語として使うようになったとか(広辞苑より)。持っている男性自身にとっても「困ったやつ」なんでしょう。

陰茎(へのこ)の登場はまあまあ古い へのこはもともと古事記に由来する「余ったところ」という意味で、江戸時代の随筆家、太田蜀山人は1809年の『金曽木』で男性器を「へのこ」と呼んでいます。 「陰茎」という言葉は室町時代の『下学集』という辞書が史料としてあるとのこと。この辞書、なぜか1444年に成立したものの、刊行されたのは1617年だとか。

いんきょう、男の前陰なり

1765年の『軽口東方朔』にも「我は陰茎の大なること馬よりもすさまじく」というセリフがあります。

あれ、「ちんこ」が出てきませんね! ちんぽに近いのは「珍宝」でしょうか。この珍宝が縮まってちんぽとなったと考えるのが自然だと思われます。

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