『逝ってしまった君へ』出版から1年。あさのますみが語る大切な人の「死」を巡る思い (2/6ページ)
また、自分自身、死がちらつく瞬間があって…という声を寄せてくださる方も多くて驚きました。
私自身もそうでしたが、死に関する話って日常会話の延長ではできないし、何かきっかけがないと誰かに話すことが難しいと思うんです。
――抱え込んでいると苦しくなってしまうけれど、実際に対峙しないと分からない悲しみだから、分かち合うのが難しい話題ですよね。
あさの:そうですね。だから、この本が自分の気持ちを吐露できるきっかけになっているのならよかったと思います。
――本書は2020年3月11日にnoteで公開されたエントリが始まりでした。あのエントリを書いたときのことを覚えていますか?
あさの:あの時は、「君」が亡くなってから1年2ヶ月くらい経っていたんですけど、まだそのことで頭の中がパンパンでした。でも、少し変化もあって、あのエントリを書く1ヶ月前、「君」の誕生日があった2月に、この本に出てくるメンバーで集まって話をしていたときは、ちょっとだけ笑って話せるようになっていたんです。
もともと、感情の変化含めて、このことをどこかに書いておきたいという思いがありました。ただ、当初は満身創痍で、言葉にしても感情が乗りすぎてしまって、客観性が全然ない文章になってしまうだろうなと思っていて、なかなか書けなかったんです。それが、1年ちょっと過ぎて、だんだんと自分の気持ちを客観的に見られるようになってきて、今だったら書けるような気がすると思ったんですね。
――そして、あのエントリが書かれたわけですね。その後、紆余曲折を経て『逝ってしまった君へ』というタイトルで書籍化されるわけですが、その際に複数の出版社から「うちで本を出さないか」という声があったそうですね。
あさの:もともとは「cakes」で連載する予定で書いていたものですが、その時から本になったらいいなと思っていました。