『逝ってしまった君へ』出版から1年。あさのますみが語る大切な人の「死」を巡る思い (4/6ページ)

新刊JP

読むときの精神状態によっては、心が沈んでしまうきっかけになってしまうかもしれない。それでも、「読めて良かったです」という感想を言ってくれる方がいて、私自身、覚悟を持って書いた本だったので、そう言っていただけるのはすごく良かったです。

――本書を読み進めると、あさのさんが「君」との別れの儀式――告別式であったり、遺品整理であったりを経験する中で、心が整理されていき、「君」への新たな気持ちに気付いたりするような過程が見えました。この本のエピソードが終わってからも、新たな変化はあるのでしょうか。

あさの:気持ちの変化ではないのですが、「君」の存在によって新たな縁が生まれることもあって。4ヶ月に1回くらいのペースで、「君」のお姉さまと日本料理屋にご飯を食べに行くのですが、それは「君」の死がきっかけで生まれた交流なんです。さらに、その日本料理屋は「君」の知り合いがやっていて、その店主さんとも仲良くなってお話をするようになりました。

お姉さまや店主さんと「君」が生きているときにつながりたかったという気持ちはあるし、もし彼がここにいたらどうなっていたんだろうと思うこともありますが、「君」が逝ってしまった後に、「君」を通じた新たな交流が生まれるのは不思議な感じがしますね。

――1つの大きな出来事をきっかけに、新たな縁が紡がれていくわけですね。

あさの:そうです。この本に出てくるメンバーで言うと、私に「君」の死を伝えたシゲとは元々連絡を取っていたんですけど、「君」の高校の後輩だったクワとは彼の死をきっかけにまた交流するようになったんですよね。

先日も3人で堀江由衣ちゃんのライブに行ったんですけど(笑)、その帰り際に「一緒にお墓参りに行こうよ」って誘われて。「君」のお墓は長野県の山奥にあるので一日かけての旅行みたいになるのですが、みんなの中にしっかりと「君」の存在があるんだなと思いました。

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