元レーシングドライバー・土屋圭市の【人間力】インタビュー「恐怖心を乗り越えられるのは、“技術”しかない」 (2/2ページ)

日刊大衆

■僕には“100点”ってないんですよ

 この映画は、ゲームのチャンピオンがリアルなドリフトチームで活躍するというストーリーですが、実は現実でも、かつて“ゲーマー”と呼ばれていた人たちが本物のレースに参加して、結果を出している時代になっています。

 たとえば、人気ドライビングゲーム『グランツーリスモ』で世界チャンピオンになったイギリスのヤン・マーデンボローは、日産に引き抜かれて本物のレーサーとなり、リアルなレースに出場しています。

 ゲーマーっていうと、家に引き込もってゲームをしているってイメージがあるかと思いますが、今はもう違う。ゲームはシミュレーターになっていますし、一流のプレイヤーになれば、現実でも通用する。

 しかも、たとえ家が貧乏でも、ゲーム機さえあれば、誰でも一流になれる可能性がある。だから、この映画で、世界中のゲームをやっている子どもたちに“マーデンボローみたいになれるかもしれない”という夢を与えられたらいいなと思います。

 この『ALIVEHOON アライブフーン』は完成まで4年かかっていますが、満足度は80点。だから、次に映画を作るときには、95点のレベルを目指したいですね。

 僕には“100点”ってないんですよ。100点って“終わり”じゃないですか。何かをやっている限り、100点はこの世の中には存在しないと思う。僕はこれまでのレースで優勝を何度も味わっていますが、100点と思ったことはありません。95点を目標値にすることで、さらなるステージへ行こうって、次につなげられると思っているんです。

土屋圭市(つちや・けいいち)
1956年生まれ。長野県出身。1977年、富士フレッシュマンレースでレースデビュー。1985年、インターTECでクラス優勝。1990年、グループA、F3に加え、フォーミュラ・ミラージュで初代チャンピオンに。ドリフト走行を多用するドライビングスタイルから“ドリキン(ドリフト・キング)”と称される。2003年の引退後は、イベント開催やレース戦術の指導など幅広く活躍。2006年公開の映画『ワイルドスピードX3 TOKYODRIFT』には、スーパーバイザーとして参加した。

「元レーシングドライバー・土屋圭市の【人間力】インタビュー「恐怖心を乗り越えられるのは、“技術”しかない」」のページです。デイリーニュースオンラインは、インタビューカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る