100万振の日本刀が海の底に!?戦後のGHQによる「刀狩」と日本政府がとった対策 (2/3ページ)
もちろん刀が使われないという意味ではありません。武器として使うべく、強度を高めた刀も数多く作られています。
このように日本には宝物としての日本刀、鑑賞物としての日本刀、武器としての日本刀など、さまざまな刀がありました。
これが全て、GHQから目を付けられることになります。
「美術品」とされた日本刀たち第二次世界大戦で敗北し、GHQの占領下に置かれた日本。
GHQこと連合国軍最高司令官総司令部が入った第一生命館(1950年頃撮影・Wikipediaより)
GHQは日本に対して「民間の武装解除条項」を指示しました。これはいわば昭和の「刀狩」です。軍部だけでなく、一般国民が所有する武器もすべて接収されることになったのです。
そして、その武器の中には日本刀も入っていました。GHQはそれらに区別をつけることなく一斉に接収しようとしたのです。
日本政府はこの措置に抗議しますが、なかなか聞き入れてもらえません。
そこでこの問題を打開するべく、政府は日本刀に美術的価値を与えることでGHQの接収の対象外にすることを狙いました。この目論みは半分ほど成功します。
GHQは美術品としての日本刀の所持は認めましたが、価値がないと判断されたもの相変わらず接収の対象となりました。問題は、そうした日本刀の「価値」を判定するのが日本側ではなくあくまでもGHQ側だったという点です。普通に考えて、彼らに日本刀の美術的価値が分かるはずがありません。