スーツケースに死体を入れて放置。法医学の為の腐敗実験が行われる (2/3ページ)
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・スーツケース犯罪の手がかりは死体の腐敗プロセス
法医学的にスーツケースの内部は特殊な環境だ。昆虫がなかなか侵入できず(限定アクセス環境という)、遺体の腐敗は自然のプロセスとはまた違ってくる。
犯罪捜査において、死体に群がる昆虫は貴重な情報源だ。死亡時間を推定したり、犯人や被害者の動きを追跡するヒントになるし、薬物やDNAを採取できることもある。
死体から腐敗臭がただよい出すと、それに敏感な昆虫がすぐに引き寄せられてくる。数時間のうちに、遺体の開口部や傷口に卵が産みつけられ、孵化した幼虫が腐肉を食べ始める。
ところが、スーツケース内には昆虫がなかなか入れないので、野外に遺棄された死体とは腐敗の仕方が違う。
だから、スーツケース内のような特殊な環境での腐敗プロセスを知ることは、犯罪捜査にとって大切なことなのだ。
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スーツケースやゴミ箱は、内部に昆虫が侵入しにくいため、通常とは腐敗プロセスが異なる。史上最大の特殊環境での腐敗実験は、それを詳しく知るためのものだ/Paola Magni・動物の死体を使った最大規模の実験
オーストラリア、マードック大学の研究グループが、西オーストラリア州で行なっている実験は、それを詳しく知るためのものだ。
実験場には、動物の死体入りのスーツケースとゴミ箱が70点置かれており、この手の実験としては史上最大のものであるそう。
なお死体は死産だった子ブタのもので、温度・湿度・降水量などが計測しながら、その腐敗具合が観察される。