仏にも存在する階級制度 最下層の仏である明王や天部は凡人の味方 (3/3ページ)

心に残る家族葬

蓮如が留守だったので本堂で待つことにした。蓮如が戻ると一休は阿弥陀仏像を枕に居眠りしていた。蓮如は「わしの商売道具で寝るな」と言い大笑したという。これが歓喜天や荼吉尼天なら怒りを買い、恐ろしい祟りが襲っただろう。もっとも一休や蓮如ほどの、ほぼ菩薩の領域にいるような覚者に天部の呪いが通じたとは思わないが。

天部、明王ら俗世に関わる神々は、それだけ世俗的な感情があるとされたのだ。祟りや呪いは、より親しい神々への畏敬の念の現れでもある。

■仏神にあふれた日常

冠婚葬祭、ご祈願、お守り、おみくじ、パワースポット…神社仏閣は現代社会においても日常生活に密着している。それにも関わらず、多くの人はそれぞれの違いに無頓着ではないだろうか。神仏習合という日本独特の信仰体系は興味深く面白い。私たちの周りには仏や神がたくさんいるのだ。また祟りや呪いなどという現象の実在はともかく、人知を超えた存在への畏敬の念は謙虚に持つべきだろう。真摯な気持ちで手を合わせてもらいたい。

■参考資料

■山本ひろ子「変成譜 中世神仏習合の世界」講談社(2018)
■山本ひろ子「異神」平凡社(1998)
■「密教の本」学習研究社(1992)

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