坂東武者も平和ボケ?新調した鎧をネズミにかじられ…『吾妻鏡』が伝える吾妻四郎助光のエピソード【鎌倉殿の13人】 (3/4ページ)
新調した甲冑。しかしどんなに立派でも、主君にご奉公できなければ意味がない(イメージ)
「何、鎧を新調したのか?バカかてめぇは!しかもネズミに食われたって、日頃どんだけメンテナンスさぼってンだ!」
「あのな。護衛ってのは鎌倉殿をお護り奉るために存在するんであって、てめぇ自身のファッションなんざァどうでもいいンだよ!」
「むしろ歴戦をくぐり抜けてボロボロな甲冑の方が、着ている本人の実力や先祖代々忠義を尽くしてきたステイタスを示せるってもンじゃねぇのか?」
「鎧がないから御所をお護りできない?武士のくせに日ごろ鎧の予備すら用意しとらんのか!何ならたとえ裸であっても主君をお護りする方が優先だろうが!」
「そもそも鎧の予備も用意できないようなヤツが、鎧を新調なんて背伸びをするんじゃない!八幡様の神事は毎年あるが、てめぇその都度新調する気か?そりゃカネも貯まらんわ!」
まったく、御家人としての心得がなっておらぬ……評議の結果、吾妻助光は出仕に及ばぬと叩き出されてしまったのでした。
終わりに晴。放生會御出之時申障之輩事。相州。武州。廣元朝臣。善信。行光等參會。有其沙汰之處。或輕服。或病痾云々。而随兵之中。吾妻四郎助光無其故不參之間。以行光被仰云。助光雖非指大名。常爲累家之勇士。被召加之訖。不存面目乎。臨其期不參。所存如何者。助光謝申云。依爲晴儀。所用意之鎧。爲鼠被損之間。失度申障云々。重仰云。