3億年前の「エイリアン金魚」の謎が明らかに。腹から歯の生えた舌のような器官で獲物を捕らえていた (2/5ページ)
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「エイリアン金魚」ことティフロエススが狩りをする様子の想像図 / Credit: Drawing by Joshua Knuppe @Royal Ontario Museum・カタツムリやナメクジに近い存在である可能性
今回、コンウェイ・モリス名誉教授らは、ロイヤル・オンタリオ博物館が所蔵するティフロエススの標本を調査し、「軟体動物」の「腹足類」の一種ではないかと推測している。つまり、カタツムリやナメクジに近いかもしれないということだ。
「ちょっとした進化の難問を解いたと思います」と、コンウェイ・モリス名誉教授は語る。
その根拠は、ティフロエススが歯を持っていたことだ。
歯といっても、私たちのように口の中に並んでいるわけではない。それは体内にあり、しかも後ろ向きに生えているのだ。
軟体動物の多くには、肉食・草食にかかわらず、「歯舌(しぜつ)」という舌のような構造があり、これでエサをつかむことができる。
この歯舌はエモノを捕らえるために体外に射出されたと考えられている。
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ゴム手袋のように前腸を膨らませてエモノを捕獲する / Credit: Drawing by Joshua Knuppe @Royal Ontario Museum
普段、歯舌は体内に収納されている。だがエモノを捕獲するときは、腸の前端(前腸)の部分を膨らませて、体の外に射出する。
このとき腸が裏返って、歯が並ぶ向きも変わる。