3億年前の「エイリアン金魚」の謎が明らかに。腹から歯の生えた舌のような器官で獲物を捕らえていた (3/5ページ)
これによって、エモノをがっちりつかめるという仕組みだ。
ちょうど丸めたゴム手袋を水か空気で膨らませて、指の部分をぴゅっと飛び出させるようなイメージだという。想像するだけで恐ろしくなる捕食法だ。
過去にはティフロエススの化石の体内から、コノドントという小さなミミズのような生物が発見されている。
このことから、ティフロエススが捕食動物であることもすでに判明している。
こうした発見に基づき、ティフロエススは初期の「腹足類」(カタツムリやナメクジなどのグループ)ではないかと推測されている。
このグループの仲間の多くが、ティフロエススと同じように、前腸を伸ばしてエモノを捕まえるからだ。
「歯舌の発見は本当に重要な証拠」と、コンウェイ・モリス名誉教授は話す。
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ティフロエススの化石の歯舌のクローズアップ / image credit:Simon Conway Morris and Jean-Bernard Caron・まだまだ謎が残る奇妙な古代のエイリアン金魚
新たな化石の発見や、既存の化石の再調査によって、ある生物の系統樹上の位置付けが変更されることはある。
今回、ティフロエススは軟体動物だろうと示唆されているが、その分類学的な位置付けについてまだ決着はついていない。