GHQさん、それ暴挙です!世界の科学史に残る汚点「サイクロトロン」破壊とは (3/4ページ)
彼は陸軍長官の承認を得ないまま、GHQに対して装置の破壊を働きかけたのでした。
この破壊行為に対してはアメリカ国内からも非難の声があがり、マサチューセッツ工科大学の科学者らは陸軍長官に抗議文を送り付けています。
科学史上の汚点陸軍長官は、破壊命令が誤りであったことや、科学者の意見を問うべきであったことなど声明を発表し、謝罪しました。
当時最先端の研究装置であった日本のサイクロトロンの破壊は、国内だけでなく世界の科学者の間でも大きな損失となり、今では科学史の汚点とも言われています。
特に日本の物理学界は、これによって世界から大きな遅れを取ることになりました。ようやくサイクロトロンの再建が決定したころには、世界ではシンクロトロンという最新の加速器が生まれていたのです。
しかし日本の研究者は諦めず、1955年に東京大学は新たにシンクロトロンを導入した原子核研究所を創設しています。
素粒子原子核研究所が所在する「高エネルギー加速器研究機構つくばキャンパス」(Wikipediaより)
そして現在では理化学研究所の加速器を使用して113番目の新元素が発見されるなど、日本の物理学のさらなる発展が期待されています。