いざ聴かん、カッコウの声…源実朝が北条泰時たちと早朝バードウォッチングに出かけたお話し【鎌倉殿の13人】 (3/3ページ)
※『吾妻鏡』建暦元年(1211年)4月29日条
以上、カッコウの声を聴きそびれた実朝のエピソードを紹介しました。
ちなみに、この「郭公」をカッコウでなくホトトギスとする(よく似ているので混同される)解釈もあり、実朝の歌集『金槐和歌集』にはホトトギスを詠んだ歌も多く残されています。
やまちかく いへゐしをれは ほとときす
なくはつこゑは われのみそきく※『金槐和歌集』より
【意訳】山近い家の中、ホトトギスの啼いた初声を、私だけが聴いている。
世の中の雑音を排して、静かな空間で独り、ホトトギスの声にうっとりしている実朝の姿が目に浮かぶようですね。
鎌倉殿だからこそ風雅を愛する余裕があった一方で、鎌倉殿だからこそ世の雑音から逃れられなかった実朝。その苦悩と葛藤は、多くの作品から偲ばれます。
※参考文献:
五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 7頼家と実朝』吉川弘文館、2009年11月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan