打ち砕かれた松岡洋右の希望…有名なスローガン「満蒙(満州)は日本の生命線」の真意 (2/6ページ)
しかし日本国内でも、満州というごく小さな土地を重要視するような世論ではなくなりつつありました。
なぜかというと、既に日露戦争の記憶が薄れていたからというのもありますが、その方が経済的に有利だったからです。
満州と中国全土を比べた場合、土地の広さや商売の規模を考えると、日本政府が得られる利益が大きいのは言うまでもなく中国全土です。
となれば、むしろ新たなリーダーである蒋介石と良好な関係を築き、中国全土との経済活動を活発化させた方が有益だと考えるのも当然でしょう。
こうなってくると、切ない思いをするのは満州です。
松岡洋右「ぼくの満州を守って」この頃、満州の財源とも言える南満州鉄道は赤字続きで経営も苦しくなっていました。
日本国内でも、満州はやや「お荷物」的な扱いでした。南満州鉄道は経営が苦しいし、あまり満州にこだわれば蒋介石との関係が悪化するかも知れません。
こうして満州の優先順位は低くなり、露骨に「見捨てる」という状況に近くなっていきます。
しかし当地では多くの日本人が働いています。彼らは皆、日本の発展のためにと送り込まれた人々でした。満州鉄道の関係者や、日本人の護衛のために送り込まれていた関東軍は不安だったことでしょう。