昭和の闇「隠退蔵物資事件」…終戦直後の物資不足と貧困は軍人や政治家のせいだった? (3/3ページ)

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当時GHQによって接収されていた明治生命保険相互会社本社本館

また同じ頃、国民も積極的に声を上げ、新聞などのメディアも摘発に向けて精力的に動くようになりました。

しかし残念ながら彼らの努力はわずかに及ばず、物資の摘発も、横領に関係した人物を罰することも叶いませんでした。

しかしこの事件で得られるものがなかったかというとそうではありません。

先述の「隠退蔵物資等に関する特別委員会」は現在の東京地検特捜部の前身でもあります。戦後の多くの国民が苦しんだこの隠退蔵物資事件により、内部の悪事にメスを入れる、社会に必要不可欠な組織と仕組みが出来上がったのです。

東京地検特捜部が設置されている東京地方検察庁九段庁舎 (Wikipediaより)

過去の事件とはいえ、私たちが「終戦直後の日本」と言われてイメージする、人々が餓死寸前まで追い込まれていたような社会状況が、ごく一部の人間によって作り出された可能性があると考えると歯がゆくなりますね。

参考資料
本がひらく
産経ニュース
近畿大学

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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